『叩き壊せ』
 良くないことをこれから起こす。
 絶対起こす。
             
      「子供たち怒る怒る怒る」 佐藤友哉 新潮社

 田舎の小さな村で、息をひそめるようにして暮らしてたぼくたち家族。両親が別れたので暮らすことになった神戸では、新しい生活、これまでとは違った生活が始まるはずだった。そこでは誰もぼくらのことを知らないから。友だちができるはず。楽しく暮らせるはず。しかし、学校に通い始めてすぐ、「ぼく」は、この町を襲う牛男の噂を聞く。牛の顔をした大男で、実際に六人もの人々を次々に殺しているという牛男に関して、六年二組、二班のメンバーは殺害場所、日時、被害者の年齢などを予測し、それぞれにポイントをつけて競っていたのだ。現在、ポイントが一番高いのは町井由紀子。だが、由紀子の予想があまりにもあたり始めることを不審に思いはじめたあたりから、なんだか様子がおかしくなってくる……――
 中短編集。
 完全に完結している少年、苦しんで死んだ少女の遺体がたどる不思議な運命、人形になって現実逃避することで生き延びているリカちゃん。
 不気味でグロテスクで不道徳で、でも魅力的。好みはきっぱり分かれると思うが、文章は下手じゃないし、なんだかついつい読ませられてしまう魅力がある。
 実は「Story Seller」に載っている佐藤友哉作品から、この人の他の作品ってどんなのだろう、と思ってたどりついた。他にも読んでみようと思う。




オススメ本リストへ