もし、大切な人を失ってしまったら、あなたはあなたでいられる? 大切な人を失って、自分自身を失わずにいられる? わたしはスターガールにむかって手をのばすのに、彼女はいない。わたしは、もうわたしじゃない。
                
   「ラブ、スター☆ガール」 ジェリー・スピネッリ(千葉茂樹訳) 理論社

 前作から一年。残酷な形でレオに裏切られ、それきりだったスターガールのその後。これは彼女からレオにあてた長い長い手紙。日記形式のこの物語はレオにむかって語りかけるだけでなく、何ひとつ隠すことなく彼女の日々のすべてが書かれたものである。
 スターガールの幸福度を示す小石のワゴン。石はどんどん減っていって、ついにはひとつだけになってしまう。彼女の日々はドゥーツィという名の五歳の女の子の登場によって明るくなったかのように見えるのに。ホームスクーリングに戻ったスターガールには自由な時間や自分で学ぶことがたくさんあるように見えるのに。それでも、ドゥーツィをはじめとする日々の暮らしの中で出会った人たちとの触れ合いが、スターガールに少しずつ自分を取り戻させてゆく。そしてついに冬至の日がやってくる。
 「スター☆ガール」続編。スターガールの視点から書かれているために、前作のできごとが、前作よりももっともっと何か痛々しいものになっている。とはいえ、力強さもまた、レオよりはスターガールのほうが上なのだ。彼女の人とのかかわり方を彼女の視点からみていくと、レオにとっては不思議きわまりなく、ときには恐怖さえ感じさせるようなものだったのに、すんなりと心に落ちてゆくように感じられる。
 女の子のすなおな気持ちが書かれた一冊。「スター・ガール」で泣いた人は、この本も見逃せません。




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