「お前に対しては俺は金を出してんだよ、出した金のぶん怒る権利があるんだよ!」
              
 「シアター! 2」 有川浩  メディアワークス文庫

 というわけで、前作「シアター!」で、鉄血宰相春川司に300万円の借金をしたシアターフタッグのメンバーである。新しいメンバーを加えたことで、メンバーの気持も一新され、順調にうまくいっている……はずだったのに、次から次へと問題勃発。演劇は趣味か、生涯をかけた仕事か、それとも……? もし、借金が返し終わったら。もし、借金を返し終わって、司がいなくなってしまったら。それでもシアターフラッグを続けていくためにはどうすればいいのか。「いま」のことだけではなく、「未来」のことを見据えて動き出した面々。そして、恋の予感。
 結局、恋愛ネタか、有川! というツッコミがしたくなってしまうんだな、これが。しかもこんな狭い世界であっちこっち、なんだかんだいって男女比から考えても妥当な路線しかいかないので、ぐちゃぐちゃどろどろはなくて、むしろアツアツベタベタというか。『図書館戦争』はよかったけど、『別冊図書館戦争』はちょっとねー、という人にはススメない(笑)。
 ま、とはいえ、あと1冊。じゃない、あと150万円ばかり。先が見えてきたところで終わっているのは、続きが気になるなー。



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